こんばんは、DAIです!
簡単に説明すると、
(To put it simply,)
●トリニダはキューバの中央部に位置する小さな町
(Trinidad is small town where is located in center of Cuba)
●トリニダとロス・インヘニオス渓谷はかつて砂糖貿易で繁栄した町
(In the past, Trinidad and the Valley de los Ingenios was the town where prospered because of sugar dealing)
●歴史の栄枯盛衰を見ることができる
(You can see ups and downs of the colonial period there)
No.14 トリニダとロス・インヘニオス渓谷
トリニダはキューバ中央部のサンクティ・スピリトゥス州に位置する町。ロス・インヘニオス渓谷はトリニダの近郊に位置する渓谷である。この地域は、かつて砂糖取引を基幹産業としており、その時代の町並みが良好な状態で保存されている。現在はタバコの加工業を主産業としている。
1514年にスペイン人による町の建設が開始。入植から約500年経った現在も、町にはコロニアル様式の建物が現存しており、「それ自体が博物館」と云われるほど植民地時代の名残が色濃く残っている。
18~19世紀には奴隷と砂糖貿易の中心地として栄え、最盛期には約50もの製糖工場が稼働。約3万人の黒人奴隷が広大なサトウキビのプランテーションで働いていた。全体の面積は270㎡ほどあり、当時は世界一の砂糖生産量を誇っていた。砂糖の谷という異名を持っていた一帯も、奴隷制の廃止をきっかけに衰退し、独立戦争後に多くの工場が放棄された。今でも約70もの工場跡が残っており、幾つかの工場跡は、当時の繁栄を示す観光名所となっている。
トリニダとロス・インヘニオス渓谷は、距離の観点からみると近い関係にありますが、歴史的な観点からみると互いに違う側面を持っている。長きに渡って続いたスペイン植民地時代の姿を、様々な観点からみることのできる世界遺産です。
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トリニダ市街
トリニダにはコロニアル様式の建物が残っており、全体としてカラフルな印象を受ける。街の中心地への道は傾斜の緩い坂となっており、途中から石畳が道路一帯に敷かれている。
インフラ整備が整っていないのか、当時の状態を見せるためなのか、石畳の一部はガタガタで歩きにくいのが実状。
黄色い塔のある建物は国立革命博物館で、かつてはフランシスコ会の修道院であった。付属聖堂は1920年代に破壊され、現在はバロック様式の鐘楼だけが残っている。
この写真と同じような風景が、キューバの硬貨に使われている(25センターボ硬貨)。
鐘楼からは街の景色を一望できる。建物の外壁とは違い、屋根は褐色をした瓦屋根に統一されており、独特な景観を形成している。町を俯瞰して見ると、町の建設に一貫性があったことがわかる。
16世紀に創建されたトリニダ大聖堂。現在の姿は1892年に再建されたものである。クリーム色をした聖堂は、町の中央広場であるマヨール広場に面して建っている。
黄色い外観と2階の手摺のデザインが印象的なこの建物はロマンティコ博物館で、かつてはサトウキビの農園主ブルネートの邸宅であった。農園主らは使用していた家具や食器などが展示されており、当時の優雅な生活が垣間見える。坂道を上ってきたので、2階からでも町が一望できる。
紹介した建造物が一枚の写真に納まるほどトリニダは小さな町。かつての農園主たちの豪邸や聖堂が近くにあり、砂糖工業を中心に町が繁栄した様子が見てとれます。
ロス・インヘニオス渓谷
トリニダからロス・インヘニオス渓谷までは約12kmの距離があるので、観光客は観光列車に乗って目的地を目指します。
マナカ・イグナサ(Manaca Ignaza)というエリアにある監視塔。当時の農園主アレホ・イスナガが1835年に建設させた監視塔で、「イスナガの塔」とも呼ばれている。高さ45m、7層建てで構成されているこの塔は、建設当時、キューバで最も高い塔だったと云われており、いかにイスナガ家が権威を持っていたかを知ることができる。
監視塔へ行く道中には、白い布にファゴッティングと言われる特殊な刺繍を加えたものが数多く並んでいる。この土地の名産品である。
塔の上からはサトウキビプランテーション全体を見渡すことができ、ここから奴隷を見張っていた。塔のそばにある大きな建物は、かつてはイスナガ家の邸宅であったが、現在はレストランに転用されている。
監視塔やイスナガ家の邸宅は良好な状態で保存されているが、周辺にある一般的な住宅は粗末な家のまま残っている。
今日、渓谷周辺で町が開発されている様子はほとんど見られないため、塔からは壮大な渓谷を一望できる。前回紹介した世界遺産ビニャーレス渓谷とは違い渓谷が広範囲に渡っており、どこまでも続く自然の景色を楽しむ観光名所となっている。
製糖工場跡
監視塔のあるイスナガ駅を出発し、製糖工場跡のあるフェネタ駅に向かいます。
剥き出しの構造体と錆びれた屋根のみの状態で残っているこの建物は、手前の観光用の建物に比べると、かなり巨大。
まるでおもちゃの国に来たかのような工場跡。用途について詳しくわからないが、一つ一つの装置が大きく彩りを持っている。工場跡内の範囲も広く、砂糖業界の一時代を築いた証が残っている。
明るい色を纏った装置とは裏腹に、現実はあまりにも暗く残酷。
当時ここで生活していた先住民は、奴隷としての粗末な扱いや入植者による病気の影響を受ける。その結果、先住民は死滅。人手不足となったので、アフリカから約3万人もの黒人を連れてきて奴隷として働かせたという経緯があります。
歴史の栄枯盛衰を感じることのできる場所です。
現在は博物館も併設しており、製糖工場に関する当時の写真や資料が展示されている。
最後に
石畳の敷かれたコロニアルな町を見ることができます!
塔から眺める渓谷の景色は壮大です!
町のみの観光だけでなく、かつての繁栄を偲ばせる砂糖工場跡の見学もおススメです!
ではまた!